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和名  蛋白石(たんぱくせき)
英名  Opal

10月の誕生石

成分 SiO2・nH2O
モース硬度 5.5〜6.5


オパールという名前は、
古代サンスクリット語の「宝石」を意味する、

「ウパラ」に由来します。

和名の蛋白石は、蛋=白身のこと。

東洋人が最初に見たホワイト・オパールが

ゆで卵の白身の質感に
似ている事から由来しています。




オパールの魅力は、なんといっても虹色の輝きにあります。

これはオパールを形成する珪酸玉が規則正しく並んでいて、
その粒の大きさが、光の波長に似通っているためです。

このような、遊色効果が強いものは
「プレシャスオパール」、「ノーブルオパール」と呼ばれます。

また、地色によって「ブラック・オパール」、イエロー〜レッドの「ファイアオパール」。

そして遊色はありませんが、乳白色で優しい色合いの「コモンオパール」などが
あります。

オパールは古代エジプトやバビロンでは、光と水のお守りとされ、

古代ローマ時代、虹色に輝くことから希望を意味し、
幸せを招く、天使の石と呼ばれていました。

オパールは美の象徴とされ、当時はダイアモンド以上に珍重されていたそうです。

古代ローマの博物学者のプリニウスは博物史の中で
<ルビーよりも柔らかな赤、アメジストのすばらしいパープル色があり、エメラルドなどの美しさをすべて含む輝き>と絶賛しました。


アイルランドの神話ではオパールは「子どもの瞳」。

ヴォーレンヤドルという神が
「子供のように澄んだ目」の石「ヤルカスティン」を創り、

子供のような澄んだ目で物事を見ることの大切さを教えたというお話があります。
この「ヤルカスティン」こそが、乳白色のオパールだと伝えられています。


また、中世ギリシャでは、眼の石と呼ばれていました。

身に付けている人を見えなくするともいわれ、
泥棒に薦められるという面白い話もあります。


イギリスのビクトリア女王にも愛された石で、

ビクトリア女王の母はドイツ人であり、
当時ドイツの王族や貴族はオパールを非常に愛していたことから、

ビクトリア女王もオパールに特別な愛情があったといわれています。

そして、5人の王女が嫁ぐときには、幸せな結婚生活に恵まれるようにと願い、
オパールを贈りました。

その後、ビクトリア女王とその娘たちはオパールを
身につけるファッションを作ったともいわれています。

オパールはシャークスピアの作品にも登場し、<十二夜>
では「宝石の女王」と書かれています。

オパールの色の変化を心の変化にたとえて
オパールに変わりやすいことのシンボルを見つけました。 



「石っこ賢さん」と呼ばれるほどの鉱物好き、宮沢賢治の
『貝の火』という短編童話にオパールが登場します。


兎の子のホモイはある日、川で溺れかけているひばりの子を助け、
そのお礼としてひばりの親から「自分たちの王からの贈り物」という、


まるで赤い火がちらちらと燃えるような
「貝の火」という宝珠(オパール)を渡されます。


翌日から、ホモイは出会った動物達から大変な敬意を払われるようになり、
次第にホモイ自身も徐々に慢心するようになっていきます。


ホモイが狐の口車に乗り悪事に加担したとき、
「貝の火」は濁り始め、ついには宝珠の中の火が消えてしまいます。

そして最後には「貝の火」は砕け、ホモイは失明してしまいます・・・。


オパールの遊色は、非常に不安定でもろく、
ひとたび得た名声や権威のもろさをオパールになぞらえた作品です。



賢治の遊色の表現として、作中には


『玉は赤や黄の焔(ほのお)をあげて、せわしくせわしく燃えているように見えますが、
実はやはり冷たく美しく澄んでいるのです。


目にあてて空にすかして見ると、もう焔はなく、天の川が奇麗にすきとおっています。
目からはなすと、またちらりちらり美しい火が燃えだします』


また、
『赤や緑や青や様々の火がはげしく戦争をして、地雷火をかけたり、
のろしを上げたり、またいなずまがひらめいたり、


光の血が流れたり、そうかと思うと水色の焔が玉の全体をパッと占領して、
今度はひなげしの花や、黄色のチュウリップ、薔薇やほたるかずらなどが、

一面風にゆらいだりしているように見えるのです』

とあります。



『貝の火』というのは、地中深く埋もれた貝が熱い地下水によって溶かされ、

代わりに珪酸分が貝の中に遊離してオパールが生成された貝化石という
珍しい代物を産出することから言われます。



他に、賢治の作品では『楢ノ木大学士の野宿』では
「ごく上等な蛋白石の注文があるのですが・・・」という始まりから
主人公がオパールを探すお話もあります。



○o.。石言葉.。o○

希望、無邪気、潔白。

直観を高め潜在能力を引き出すといわれ、「希望の石」と呼ばれることもあります。
恋愛成就のお守りとしても人気があります。


〜・ オパールの種類 ・〜

* ホワイト(ライト)オパール *

遊色効果があるタイプ(プレシャスオパール)で、
地色が白〜淡黄色のオパールの事を言います。

* ウォーター(クリスタル)オパール *

遊色効果があるタイプ(プレシャスオパール)で、
地色が無色のオパールの事を言います。

* ボルダーオパール *

ボルダーは英語で「大きな丸い石」を意味します。

母岩の中に付着しているオパールの層を、
母岩とともに取り出し、研磨したものです。

* ブラックオパール *

オーストラリアのニューサウスウェールズ州北部、隣のクイーンズランド州
ライトニングリッジで産出され、

地色が黒またはグレーの遊色効果を持つオパールです。

* カンテラオパール *

母岩をわざと残し、オパールの遊色を引き立てたものを、
カンテラオパールと呼びます。

母岩部の流紋岩質をメキシコ名でカンテラと呼ぶことから、
こうした呼び方をしています。



* ピンクオパール *

ピンクオパールは不透明で遊色効果のない
コモンオパールという種類に分類され、同じピンク系の天然石にくらべ、
潤いのある質感が穏やかで優しい印象を与えます。

質が良いものほど、濃いピンク色をしています。

○o.。石言葉.。o○

古来より愛を叶える石として女性に大切にされてた、
ピンクオパールは「キューピッドストーン」とも呼ばれ
女性なら誰もがあこがれる「愛される力」を高めてくれる石。


* ブルーオパール *

ブルーオパールは不透明で遊色効果のない
コモンオパールという種類に分類され、その中でも産出量が少なく、貴重なオパールです。

○o.。石言葉.。o○

コミュニケーション能力を向上させてくれるといわれています。





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